広島県尾道市の本州側と対岸の向島(むかいしま)との間には、尾道水道という、一見川にも見えるような狭い「海」があります。幅約200m〜300mという狭い海峡の、東西約4.5kmの間に、往時には九つもの渡し船が本州と向島を繋いでいましたが、現在では諸事情で、その3分の1の3航路が健在するのみとなりました。今でも住民や観光客の足として立派に働いています。尾道水道を南北に行き交う渡船のある風景は、尾道の風情を醸し出す尾道らしい風景なのです。対岸まで約5分程度のクルーズですが、とても美しい景色をお楽しみいただけると思いますので、尾道にお越しの際は、ぜひ渡し船にも乗ってみてください。 私が子供の頃は焼玉エンジンのポンポン船で、祖父母のいる向島に渡っていました。記憶の範囲では大人5円、子供3円だったと思います。 尾道市は尾道渡船と向島運航(駅前渡船)の民営渡船2航路について、歌戸運航への移行による航路継承を決め、2021年(令和3年)4月1日から、歌戸運航が尾道渡船と向島運航が運航していた2航路を引継いで運航を始めました。同年6月4日には商号を現在の「おのみち渡し船」に変更しました。 |
航路(現存した航路を東から順に) | 運 航 | 船 名 |
尾道(山波)〜向島(肥浜) 通称:桑田渡し 1880(明治13年)〜2011.3.31(平成23年) 廃航 |
宮本汽船 0.38km |
第一兼吉丸 引退 第十七天神丸 引退 |
尾道(尾崎)〜向島(小肥浜) 通称:小肥浜渡し 廃航 |
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尾崎(浄土寺下)−向東町(西谷、日立造船向島工場) 通称:東渡し・浄土寺渡し・ドック渡し 1825(文政8年)〜1997(平成9年) 廃航 |
玉里渡船 | |
尾道(久保、薬師堂浜、現十四日元町(丸上桟橋)) 〜向島(彦ノ上) 通称:彦ノ上渡し・岸元渡し 大正中期〜2008.4(平成20年) 廃航 |
しまなみフェリー 0.38km |
第一しまなみ 兼吉渡しで運航中 第二しまなみ |
尾道(土堂)〜向島(兼吉) 通称:本渡し・一文渡し・1銭ポッポ・公営渡船 ・兼吉渡し 1807(文化4年)〜 |
1953 公営化 1984 尾道渡船 2021 おのみち渡し船 0.3km |
第二兼吉丸 引退 第十向島丸 引退 にゅうしまなみ 運航中 |
尾道(土堂、元石崎桟橋)〜向島(小歌島) 通称:一円ポッポ・小浦渡し・明神渡し・福本渡し 1909.1(明治42年)〜 |
福本渡船 0.25km |
第拾壱小浦丸 運航中 第拾貮小浦丸 運航中 第拾五小浦丸 運航中 |
尾道(駅前)〜向島(豊浜) 通称:駅前渡し 1946.1(昭和21年)〜 YouTube動画があります |
1946 向島運航 2021 おのみち渡し船 0.65km |
むかいしまT 運航中 むかいしまU 運航中 |
尾道(東御所、専売局前海岸)〜向島(西富浜烏崎) 通称:廿五番渡し・烏崎(からすざき)渡し 明治中期〜昭和初期 廃航 |
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尾道(西御所、新浜)〜向島(有井) 通称:有井渡し 〜2001(平成13年) 廃航 |
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向島(歌)〜浦崎(戸崎) 通称:歌渡し 1998.10(平成10年)〜 ※尾道水道航路ではありません |
1998 歌戸運航 2021 おのみち渡し船 0.4km |
歌戸丸 引退 芸予(予備船) 引退 第1歌戸丸 運航中 第二歌戸丸 予備船 |
尾道(駅前)→向島(豊浜)航路乗船記 左の船の絵は「海の素材屋」様から頂きました |