バスのデータについて

2016.9.25掲載

 
 バスの写真を載せておられるホームページを拝見すると、色々なデータが掲載されています。私はこのホームページを立ち上げた際、写真だけ載せるつもりでいましたが、せっかく載せるのならデータも集めてみようかと思い、少しづつ収集していました。仕事の関係であまり時間が取れず、2014年あたりまではごく限られたデータのみ載せていましたが、最近少し時間が取れるようになりましたので、腰を据えてデータの勉強を始めたところです。2016年9月には路線バスのデータ項目を少し増やし、見やすいレイアウトに変えてみました。
 今回データ見直しに際して勉強したことを忘備録のつもりでこのページにまとめてみたいと思います。バスファンの方のみならずこれからバスを見られる際にも、参考にしていただければ幸いです。

 <目次> 
  1.ナンバープレート(自動車登録番号標)
  2.社内番号
  3.シャーシとボディ
  4.年式
  5.型式
  6.床/ステップ
  7.観光バスのデータ
  8.昭和に写した路線バスのデータ
  9.写真の画質について
 
 
 1.ナンバープレート(自動車登録番号標)
 個別の自動車を識別するために取り付けられた標識板のことで、自家用自動車は白地に緑文字で、事業用は緑地に白文字で記されています。
 まず左上に運輸支局または自動車検査登録事務所を示す1文字から4文字の「地名」が記されています。例えば広島県には広島運輸支局の「広島」ナンバーと、福山自動車検査登録事務所の「福山」ナンバーがあります。昭和末期あたりまでは旧表示で一文字の場合が多かったようですね(広島は「広」、岡山は「岡」などです)
 地名の右には「分類番号」とよばれる、1桁から3桁の数字が記されています。分類番号の上1桁は自動車の大まかな用途や大きさがわかります。3桁の場合はナンバープレートが希望番号であるかどうかもわかります。バスは普通乗合車にあたるので上一桁は「2」が付けられています。昭和中期あたりは「2」の一桁でしたが車が増えてきて一桁では対応できなくなり「22」の2桁になりました。現在は1999年5月14日から全国で実施された分類番号3桁化(希望番号制導入)により「200」の3桁になっています。広島ナンバーの場合、「22」は4000番台で終わっています。3桁化当初の下2桁は一般払い出し用が00〜29、希望ナンバーは30〜98が割り当てられていますが、現在は00〜28も希望ナンバーに割り当てられているようです。ですから「広島200」は払い出しナンバー、「広島230」は希望ナンバーと読み取れるわけですね。
 地名の下には「ひらがな」が一文字書かれています。緑地白字の事業用車には「あ・い・う・え・か・き・く・け・こ・を」が、白地緑字の自家用車には「さ・す・せ・そ・た・ち・つ・て・と・な・に・ぬ・ね・の・は・ひ・ふ・ほ・ま・み・む・め・も・や・ゆ・ら・り・る・ろ」が割り当てられています。広島の場合「22」には「く」が、「200」には「か」が付けられています。
 ひらがなの右には「一連指定番号」とよばれる1〜4桁のアラビア数字が表示されています。軽自動車の場合は「車両番号」というそうです。4桁の場合2桁目と3桁目の間に「-(ハイフン)」が入りますが、これは2桁ずつに区切ったほうが記憶しやすいためだそうです。近年ではおのみちバスなどに見られる、社内番号とナンバープレートを揃えるために希望ナンバーを導入するケースが増えてきています。
 バス業界ではナンバーが新しいから年式も新しいとは必ずしも言えません。改造などにより一度登録を抹消し再登録をした場合(広島200 か1972)や、他県の事業者から譲り受けた場合(広島200 か2071)などは再登録した時点での払い出しになりますので、ナンバーが若くても年式が新しいということにはならないのです。
 もっと詳しく知りたい方は日本のナンバープレート 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』をご覧ください。
 
 
 2.社内番号
 ナンバープレートとは別に各事業者ではバス個々の車両に一定の法則で識別番号を割り当ててあります。正式な名称はありませんが、会社によって「登録番号」「社内番号」などと言われ、国鉄バスでは「車両呼称」と呼ばれていました。当ホームページでは「社内番号」「社番」に統一して表記していますことをご了承ください。法則が分かっている場合各事業者のトップページに載せてありますが、間違いもあろうと思いますので参考までにご覧ください。
 社内番号は小規模な事業者では単に連番のみが使用されている場合もありますが、英字や数字などを組み合わせて製造メーカー・年式・所属営業所・車体構造など色々な要素を含ませてある場合が多いようです。また車体に社番が記されていない場合でも社内では管理番号として何らかの分類がされていると思います。
 私は幼少期を尾道市で過ごしました。おのみちバス(当時は尾道市営バス)は台数が少なく連番のみの社番でしたので、車体の外観から社番が言えるほどよく覚えていました。ある日貸切で尾道を走っていた広島電鉄のバスを見たとき、5桁の社番を見て「よそには何万台ものバスがいるのか・・・」とひどく驚いた記憶があります。その当時はその番号の意味など知る由もなかったのですから仕方ありませんけどね(笑) 社番の法則を覚えるとバスを見る楽しみがまた一つ増えますよ。
 
 
 3.シャーシとボディ
 バスは基本的にシャーシとボディで構成されています。シャーシはいわゆる足回りとエンジン部分のこと、ボディは外装などのことです。シャーシを三菱ふそう・日野自動車・いすゞ自動車などのシャーシメーカーが作り、ボディは車体を専門に作る「コーチビルダー(車体架装メーカー)」が制作しシャーシに架装(かそう)してバスは完成します。

 以下にメーカーを説明します。()でくくられた緑文字は当ホームページに記載した略号です。
 現在走っている国産バスのシャーシメーカーは
  三菱ふそうトラック・バス(三菱ふそう)
  日野自動車(日野)
  いすゞ自動車(いすゞ)
  日産ディーゼル(日産ディーゼル)=現UDトラックス
の4社でほとんどを占めます。日産ディーゼル(現UDトラックス)は2010年8月でシャーシ生産から撤退しました。また、いすゞ自動車と日野自動車は2003年10月1日付で「ジェイ・バスグループ」を設立し、路線系はいすゞ自動車が、観光系は日野自動車がそれぞれ開発した車両をジェイ・バスが製造し、いすゞ自動車と日野自動車両社が販売していまず。

 コーチビルダーは各シャーシメーカーの指定会社があります。1975年から10年間位は以下の関係がありました。
  呉羽自動車工業(呉羽)、後の新呉羽自動車工業=三菱ふそうバス製造(MBM、MFBM)→三菱ふそうトラック指定
   ※三菱は自社でも架装していました(三菱自工)
  日野車体工業(日野車体)→日野自動車指定
  川崎車体工業(川崎車体)、後にいすゞとの合弁会社IKコーチとなる→いすゞ自動車指定
  富士重工業(富士重工)、2002年度にバス車体製造から撤退→日産ディーゼル指定(現UDトラックス)
  西日本車体工業(西工)、2010年8月にボディ架装を終了→大型4社に架装
ただし、これは基本的な関係で、富士重工業が三菱ふそうに架装するなど、上記以外の色々なパターンもありました。
 1985年以降はシャーシメーカーの再編が進み、現在は以下の2社に集約されました。
  三菱ふそうバス製造(MFBM)→三菱ふそうトラック・バス指定
  ジェイ・バス(J-BUS)→日野自動車・いすゞ自動車指定
 
 
 4.年式
 基本的にはバスが製造された年を「年式」と言います。バス車内に型式や製造年を記した証票がおおむねフロントウインドウの下あたりに取り付けてあります。乗車してそれを見れば確実なのですが、全てのバスに乗車することはできませんので、外観などから想定してHPに掲載してある場合もあるようです。想定できる人はすごいと思います。あとはナンバープレートからも想定できる場合がありますが、改造や移籍などによって再登録された場合はよく分からないことも多いようです。また会社に導入された年を年式として掲載されていることもあるようです。ですから、正確性は少々低下しますが、おおむねの感じは分かると思いますので参考までに見られるとよいでしょう。
 
 
 5.型式
 バスの型式の表記はアルファベットの「自動車排出ガス規制識別記号」に続き「-(ハイフン)」があり、そのあとにメーカーの割り振った型式が書かれています。当ホームページではこれらすべてを一つの「型式」として掲載していますことをご了承ください。
 自動車排出ガス規制識別記号は昭和54年の排ガス規制からディーゼル車に「K-」と付くようになり、その後排ガス規制値が厳しくなるにつれて変化し、現在は3桁の「S*G-」や「Q*G-」等となっています。これらを覚えるのは大変ですので、詳しく紹介されている「かなちゃん号」のHPから「バスの型式」のコーナーを参考にされるとよいでしょう。大変分かりやすく解説されています。
 

 ※ メーカー・型式については以下のリンクから『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』を参照されるとよいでしょう。
  三菱ふそうバス製造 三菱ふそうトラック・バス
  三菱ふそう・エアロスター 三菱ふそう・エアロエース 三菱ふそう・エアロミディ
  日野車体工業 日野・レインボー 日野・ブルーリボン 日野・セレガ 日野・リエッセ
  いすゞ・スーパークルーザー いすゞ・ガーラ いすゞ・エルガ
  日産ディーゼル・スペースランナーRA 日産ディーゼル・スペースアロー
  ジェイ・バス
  西日本車体工業
  スバルカスタマイズ工房(富士重工業の車体型式が分かります)
 
 
 6.床/ステップ
 床はいわゆるツーステップ以上の高床車について、ハイデッカ・スーパーハイデッカ・ダブルデッカ等と記載してあります。スタンダードデッカや低床車は、ツーステップ・ワンステップ・ノンステップ等とステップ数を記載しました。
 床の高さについては以下のリンクから『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』を参照されるとよいでしょう。
  低床バス ハイデッカ 2階建車両
 
 
 7.観光バスのデータ
 観光タイプのバスは路線バスに比べて詳しいデータが少ないのです。めったに乗りませんからね。私は相互リンクして頂いている「観光バスのページ」をよく拝見し参考にさせて頂いています。メーカー別・地域別に大変詳しく画像入りで紹介されていますので、ぜひそちらも訪れてみてください。また昭和に写した写真についてはやんたけバス研究所の「PDの館」「平屋根の館」等も拝見させてもらっています。
 
 
 8.昭和に写した路線バスのデータ
 昭和のバスについてもなかなかデータは揃いません。私は今では幻の名著と言われている日本バス友の会発行の「日本路線バス総合カタログ」を持っておりますのでその本を参考にしました。現在では絶版になっていますが、DVD版(クリッカブルPDF形式)で復刻販売されています。詳しくは日本バス友の会HPをご覧ください。
 
 
 9.写真の画質について
 私のレンタルサーバは容量があまり大きくありませんので、写真をJPEG形式で以前は1枚50KB程度に圧縮していました。現在は1枚100KB程度にしていますが、それでも画質はかなり落ちてしまいます。拡大には耐えかねると思いますことをご容赦ください。また、昭和に写した写真はフィルムや写真をスキャンし色補正など施していますが、こちらもフィルムなどの劣化により画質が悪くなっていますことをご了承ください。画像サイズは横を640ピクセルに統一しています。